――ジュニアマイスター・皆勤賞・そして新たな道へ――
小学5年生からコデジカに通ってくれていたA.Iさん。和歌山県立和歌山工業高等学校 産業デザイン科を卒業し、この春、大阪のデザイン専門学校への進学が決まりました。
高校3年間で取れるだけの資格を取り、ジュニアマイスター シルバーの認定を受け、さらに皆勤賞も達成。一日も休まず、一歩ずつ積み重ねた3年間の結実です。
コデジカとの出会い
さんとの出会いは、コデジカがまだ今の場所に移る前の教室でのことでした。
小学5年生だった彼女と弟さんを連れて、お母さん自らが教室を訪ねてきてくださいました。北関東からこちらに嫁いでこられた方で、気軽に子育てを話せる人がそばにいない中で、ふたりのお子さんを育てていらっしゃいました。
コデジカという居場所
高校に進学したA.Iさんは、部活動でマネージャーを務めるようになりました。人をまとめることの大変さを日々感じながら、それでも懸命に取り組んでいました。
そんな時期、コデジカは彼女にとって、ストレスを表情に出してもいい場所、少しだけ甘えてもいい場所になっていた。私にはそう見えていました。
手を離す決断
高校2年生の頃、私はA.Iさんに一度コデジカを卒塾してもらうことを決めました。
コデジカが彼女の不満やフラストレーションの発散場所になっているのではないか――本人はおそらくそう思っていなかったでしょう。でも、長年の経験から、このままでは安心できる場所に寄りかかるだけで、彼女自身の成長が止まってしまうかもしれない。抑えたエネルギーは、きっと前に進む推進力に彼女なら必ず変えてくれる。そう信じて、送り出しました。
卒塾した日、彼女は泣きながら帰っていきました。その背中を見送りながら、これでよかったのだと自分に言い聞かせていました。
花開いた3年間
先日、お母さんとお話しさせていただく中で、A.Iさんが大阪のデザイン系専門学校に合格したと教えてもらいました。
それだけではありません。高校3年間で取得できる限りの資格に挑戦し、高校ではジュニアマイスター シルバーとして認定されたこと。そして、3年間皆勤を達成したこと。
一日も休まなかった。一歩も立ち止まらなかった。あの日泣きながら帰っていった女の子が、自分の足でしっかりと歩き続けていたのです。
もうひとつの居場所
進学が決まる頃、A.Iさんは「一人暮らしをしたい」と言っていました。お母さんは反対されていたようです。
そんな折、彼女はあるお店でアルバイトを始めたらしいのです。元々真面目な子です。最初は叱られたり注意されたりすることもあったかもしれません。でも、一生懸命働く姿を見てくれたのでしょう。「進学してもアルバイトを続けに来てほしい」と言ってもらえたのです。
それをきっかけに、A.Iさんは自分から「一人暮らしはしません」と言い始めたそうです。
コデジカを卒塾した後も、自分で居場所を見つけられる子になっていた。ここにもひとり、自分の居場所を見つけた子がいました。本当に良かったと思います。
育てるということ
教育に関わる者にとって、「手を離す」ことは「手を差し伸べる」ことよりもずっと難しい判断です。
でも、子どもたちには本来、自分で立ち上がる力がある。私たちがすべきことは、その力を信じて、然るべき時に送り出すことなのだと、A.Iさんが教えてくれました。
A.Iさん、おめでとう。あなたの3年間は、間違いなく自分自身の力で勝ち取ったものです。大阪での新しい道を、あなたらしく歩んでいってください。
そして、お母さん。あの日、心細い中、ふたりのお子さんを連れてコデジカに来てくださったこと、本当にありがとうございました。


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